JR九州・JR北海道の決算にみる企業分析(産経 マイナビより)

JR九州JR北海道の決算で明暗がきれいに分かれました。

JR九州の上場初決算 売上高と純利益が過去最高 (産経)

JR九州が11日発表した平成29年3月期連結決算は、売上高が前期比1・3%増の3829億円、最終損益が前年の赤字から447億円の黒字に転換した。昨年10月の上場後初となった本決算で、売上高、最終利益とも過去最高を記録した。青柳俊彦社長は記者会見で「整備の機械化など鉄道事業の効率化を図り、黒字を維持したい。不動産事業でも九州をはじめ、東京や海外にも展開したい」と話した。」

JR北海道、2016年度決算を発表 - 経常損益は過去最大となる188億円の赤字に (マイナビ)

JR北海道はこのほど、2016年度の決算と利用状況を発表した。北海道新幹線開業により、新幹線や函館本線函館~長万部間などで利用が伸びたものの、修繕費や減価償却費がかさんだ結果、経常損益は過去最大の188億円の赤字となった。

2015年度末に開業した北海道新幹線は、開業後1年間の利用実績が1日あたり約6,300人、対前年164%と好調に推移。運輸収入は103億円となり、前年の海峡線・夜行列車などの収入を差し引くと49億円の増収となった。在来線は8月下旬に北海道を襲った台風の影響により、会社発足以来最大の被害を受け、32億円の減収となったが、北海道新幹線の増収分と札幌圏の在来線の増収などで前年を上回り、営業収益も55億円の黒字に。

しかし、営業費用では北海道新幹線の修繕などで修繕費が22億円増加し、減価償却費も北海道新幹線車両や安全設備などで前年を63億円上回り、修繕費・減価償却費ともに過去最高額となった。経営安定基金の運用益も大幅に減少した結果、経常損益は過去最大の44億円(2011年度)を大幅に上回る188億円の赤字に。当期純利益も2011年度以来の純損失となり、実質過去最大の126億円の純損失となった。2017年度も189億円の経常赤字を計画していることから、同社は「事業範囲の見直しによる抜本的な経営構造改革を不退転の決意で進めて、持続可能で安全な鉄道輸送サービスを提供する鉄道会社への再生を実現してまいります」との社長談話を発表した。」

本質的には、民間企業としての採算に対する意識の相違でしょう。

元々、JR九州は経営安定基金への依存度が低く、JR北海道は高い構図でした。 (JR九州 3877億円 JR北海道 6822億円)

JR九州黒字」「JR北海道赤字」の構図は、分割民営化以降、民営としての利益追求、安全性追求の姿勢から予測することができます。

JR北海道の経営は「民営化 → 売上減少 → リストラ → 人手不足 → 赤字化」と、後手が悪手を生んでいる状況です。

会社として、資金以前に事業ノウハウがないとも思えます。

経営安定化基金についてはこちらの記事が詳しいです。 第三セクター鉄道が、赤字体質から抜け出せないワケ (ITmediaビジネス)