東芝と米WD対立にみる企業分析(朝日より)

東芝半導体売却、WDが差し止め申請 国際仲裁裁判所に

(朝日)

東芝半導体事業の売却にWDが正式に待ったをかけたとの記事。

東芝半導体子会社「東芝メモリ」の売却について、協業する米ウエスタンデジタル(WD)は14日(日本時間15日朝)、国際仲裁裁判所に差し止めを求める仲裁を申し立てたと発表した。仲裁判断の内容によっては売却が難しくなる可能性がある。」

先日の当ブログの記事(東芝と米WD対立にみる企業分析)でも東芝とWDの対立を紹介しました。

東芝の主張は「支配権が移転する場合、売却に同意は不要」です。

WDはそもそも売却自体が契約違反であり、無効と言っているようですが、具体的な申立内容は東芝も確認中のようです。

大前提として、東芝の論拠を崩す契約書上の規程があるのでしょうか。

そもそも、WDの前身であるサンディスク(SD)がWDに買収された際、協同投資者としての同意を求められていないことから、東芝は自社の主張に自信をもっているようです。

「WDは東芝合弁会社をつくり、四日市工場(三重県四日市市)で半導体モリーを共同生産する。WDは東芝が同意なしに東芝メモリを売却することや、そのために合弁会社の持ち分を移したことについて「合弁の契約に明らかに違反している」と主張している。東芝は内容を確認中だとしている。」

東芝半導体事業を売却するなど全く思慮になかったと思います。

大きなプロジェクトの契約締結は、実務上は性急な対応になるのでしょうが、契約解消を想定した法的リスクに備えることが肝要だと思います。