日経平均と就活、転職活動

日本経済新聞より、日経が年初来高値を記録したことに関連して。

日経平均が年初来高値1万9895円

日経平均と言えば、就職時、時事ネタとして扱われることが少なくないと思います。

東証一部上場225銘柄の平均株価です。日本経済全体の傾向や、海外の政治、金融動向と関連付けて語られることが多いです。

しかし就活・転職といった観点からは、

① 個々の株価変動から企業の損益(財務)に与える影響

② 主要通貨の為替レートへの影響とそれによるリスク

を考えることが本質では。

投資家は別にして、会社員にとって日本経済全体の動向、ましてや海外の政治金融動向が業務に影響を及ぼすことは多くないと思います。

投資活動と、会社で働くことが混ぜこぜになっていると思います。

入社してやりたいこと、の罠

エントリーシート(ES)、面接で「会社に入って何がしたいか」問われることがあると思います。

要は、会社の儲けにどう貢献するつもりか、の意です。

会社に入って分かることは、こうした具体案を問う意味は2通りあることです。

1つに、「質問の意味を分かっているか、勘違いしていないか」

2つに、「1つめをクリアした上で、自分が分かる範囲で具体的に考えているか」

です。

最初から「会社に入ることは儲けに貢献することだと理解しているか」、または「どうやって会社に儲けを提供するか」を聞けばよいのでは。採用企業も、受験者も時間のロスがないと思います。

エントリーシート(ES)の書き方、という矛盾

エントリーシート(ES)はいつ頃から使われるようになった用語なのでしょうか。

要は、自分の説明書ですが、 その「書き方」、ないし「魅せ方」にまつわる情報がWebには溢れています。 講座まであるようです。

ESは、Webに数多ある書式フォーマットにこだわらず、思う通りに書いたらいいのではないでしょうか。

丁寧に、読み手のことを考えて作成すれば、「No.1に」とか「誰にも負けない」といった謎の自信に満ちた言葉や、「アイデアマン」「ムードメーカー」といった感覚的でしかない言葉は出てこないのではと思います。

少なくとも、目に留まることと、採用に結びつくかは別のお話です。

2018年卒就職人気企業ランキング、大手が席巻(マイナビより)

就活中の学生に大手が大人気という記事。

マイナビ・日経2018年卒大学生就職企業人気ランキング」結果を発表

(記事より引用)

「■文系総合:全日本空輸ANA)が1991年以来、26年ぶりの首位に。文系トップ100では金融機関の人気が根強いほか、

航空関連企業およびエンターテインメント関連企業などが上昇した。

■理系総合:ソニーが2009年以来8年ぶりの首位に返り咲いた。理系トップ100では、食品関連企業が多数を占め、製薬、日用品、ゲーム関連の企業などが上昇。

学生に親しみのある製品やサービスを扱う大手企業が並んだ。」

(記事より引用終わり)

大手に人気が集中するのは当然ですが、大手とそれ以外、といった分類は会社の本質を考えれば余り意味がないと思います。

会社に入って、何をなすかが重要ではないでしょうか。

経理の転職-求められる実務経験(イーキャリアより)

イーキャリアより、経理の転職について会社側の観点でまとめられています。

実務経験が重要なファクターであり、難関資格等を持っていても決め手にはならないとの記事。

徹底討論「こんなヤツはいらない!!」~経理・財務編~

(記事より引用)

「キャリアチェンジを狙う人には、簿記や税理士など経理系の資格が“パスポート”になると思っている人がいます。面接でも、そのことをすごくアピールしてくるのですが、経理で一番重要なのはやはり実務経験だと思います。例えば20代で税理士の資格を取得したというのであれば、ポテンシャル採用の可能性はありますが、経理経験のない35歳の人が税理士の資格を取ったからといって即採用に至ることはないでしょうね。」

(記事より引用終わり)

雇主側からすれば、間違いのない意見だと思います。

資格を保有していても、現実の会社で経理実務がどのように回っているか知らず、また実際にこなしたことがなければお話にならないでしょう。

そうした意味で、実務経験は経理において必須となります。

しかし、もう少し観点を広げ、キャリアアップを含む転職という観点では異なる定義が必要と思います。

経理の転職では、実務経験(と付随する知識)に加え、資格取得に伴う確かな知識も重要性は等しいです。

記事にもある通り、経理は汎用性が高い職種であるが故に、実務上判断に迷ったときまず知識に頼らざるをえません。

それは作業をいくらこなしても身につくものではないでしょうし、勤めていれば誰かが親身に教えてくれるものでもないでしょう。

これから経理のキャリアを積んでいく人間にとって、経験値だけではカバーできないことが余りにも多いのが経理業務です。

税理士、公認会計士といった資格取得と実務経験は、経理としてのキャリアを育む上で同じレベルで取り扱うべき項目ではないでしょうか。

エクセルスキル(VBA)と会社業務(転職成就より)

転職成就より、VBAのスキルPRは事務職、専門職ともに意味が薄いとの記事です。 主にエクセルが該当すると思います。

転職にVBAは有利?

(記事より引用)

「VBAとなればエクセルと関連性が高く、エクセルは事務職では頻繁に使用します。

しかしエクセルを使用するとしてもVBAまでの知識を必要とする事務作業は正直少ないので、転職活動ではあまり評価されないと考えて良いです。

事務職という場合にはVBAよりも

・関数をある程度使える

・経理だと勘定奉行弥生会計のソフトを自由に使える

というように一般的な企業で使われるソフトやシステムを使えるほうがまず有利となるかと思います。

またマイクロソフトでは他にもシステム系の資格を用意していますが、事務職であればこの手の資格をいくら取得してもまず評価はされないといって良いと思います。」

(記事より引用終わり)

その通りだと思います。

というのも、エクセルは会社データの媒体だからです。

エクセルとは、目的となる分析、加工をスピーディーに達成する為に、「逐一」ユーザーがデータ群を落とし込むツールです。

スピーディーに、逐一、がポイントです。

エクセルというと、とかくマニアックな方向に話が向かいがちです(無数ある関数の応用や分析機能活用、VBAによるツール化等)

しかし、本質は、

① 会社の標準システムに蓄積されたデータを

② 期間、相手先等、都合に合う条件で逐一抽出し

スプレッドシート上に落とし込み分析、加工する

その為のツールだと思います。

私は企業で財務経理の職を担う都合、会社帳簿をエクセル表で保持し、債権債務管理を実施することは不可能に近いと考えています。

エクセルを媒体ツールと割り切り、使い倒すことはいいと思いますが、 エクセルの関数、VBAにのめり込み、業務ツールの作成、管理をスプレッドシートで行うことは避けるべきと思います。

業務内容の変動に保守が追いつかず、すぐに遺産化してしまいます。

文系学生の就職活動(マイナビニュースより)

2ヶ月前の記事ですが、企業の採用活動解禁にあたり2018年卒就活生のマインドをアンケート形式で分析しています。

2018年卒の就活解禁-今年の就活生の傾向は?

 

 (記事より引用)

 2018年卒 マイナビ大学生のライフスタイル調査」(2016年12月16日~2017年1月15日/学生3,924名を対象)の「就職活動における自分の最大の武器だと思うもの」という設問では、文系男子は「サークル活動・部活動の経験」が21.0%(対前年比3.6ポイント増)、文系女子は「忍耐力・粘り強さ」が15.7%(対前年比2.2ポイント減)だった。理系男子は、「学校で学んだ専門知識」が20.6%(対前年比0.5ポイント増)、理系女子では「学校で学んだ専門知識」が19.5%(対前年比3.3ポイント増)と前年よりも割合を高くし、最も多くなった。 

 (記事より引用終わり)

 

興味深いことが、文系学生が挙げる就活上の強みは学業そのものよりも「サークル活動・部活動の経験」や「忍耐力、粘り強さの精神性」であること。

 

文系学生も本分たる学業を企業の活動内容(ビジネスそのもの)に結びつけ、主軸に据えたPRが必要ではないでしょうか。

 企業の活動内容は、大半の企業でオフィシャルHPよりIR、決算報告、有価証券報告書、その他広報で概要を掴むことができます。

(企業の中、長期経営計画、ビジョン、直近数年の経営成績、財務状態、組織体制、役員の状況、離職率等)

 

※ OB、OGやリクルーターからの個別具体的な情報を除き、オフィシャル以上の情報は意味が薄いとも言えます。例えば、受ける企業のゴシップを知っていても就活にプラスの影響はないと思います。

 

受けようとしている企業の活動内容等(経営計画、組織体制、今後のビジネスプラン)と、自身が学び、分析してきた学業とに結びつきが見つかると思います。

観点は「やりたい、やってみたい」、ではなく「学業との関連があり、役に立てる」です。

 

学業は、卒業を前提とすれば、学校生活で最も多くの時間を使い、思考を重ねた活動であるはずです。

 

特段の理由がない限り、サークル活動や部活動、測定者により評価のバラつきやすい忍耐力、粘り強さといった精神性は付随要素程度に考えるべきでは。