山崎製パン下請法違反にみる企業分析(毎日より)
山崎製パンに公取委勧告 (毎日)
山崎製パンが下請法に違反し、公正取引委員会から再発防止勧告を受けたという記事。
直近決算の経常利益が370億円の企業にとって、4600万円の代金減額はセコ過ぎると思いますが。
「山崎製パン(東京)がコンビニ「デイリーヤマザキ」で販売する商品の製造を委託した各地の下請け業者10社に対し、代金から総額約4600万円を不当に減額したのは下請法違反に当たるとして、公正取引委員会は10日、再発防止を勧告した。
公取委によると、山崎製パンは2014年2月~17年1月、コンビニで売る弁当や麺類などを納入する10社に対し、代金から協賛金や客にサービスで渡す箸代などの名目の金を差し引いていた。」
下請代金支払遅延等防止法に関する勧告について (山崎製パン PDF資料)
仕入値引、割戻等で処理していたのでしょうが、典型的な下請法違反であり、内部のチェックが甘かったのでしょう。
ソフトバンク純利益1兆円超えにみる企業分析
ソフトバンク、初の純利益1兆円超え (朝日)
ソフトバンクが日本企業で3例目となる純利益1兆円超えとの記事。
子会社株式(スーパーセル、アリババ)売却益の発生、売却に伴う税金負債の取崩が主要因です。
本質的には、これら一時的な要因を除いて業績を考えることが必要と思います。
ソフトバンクの決算短信でも、スーパーセルを除いた継続事業ベースでの利益も明示しています。
平成29年3月期決算短信 (PDF資料)
金融商品、デリバティブに係る評価損の影響でしょうか、 法人税等の調整、非継続事業の利益を除いた税引前利益が前年割れしていることが気になります。
(富士フイルムHD決算遅延)就活・転職に企業決算情報が重要なわけ
就活・転職活動を行うにあたり注視すべき情報に決算情報があります。
会計数値をなおざりにする会社は、公になるかどうか別に、問題を抱えることになると思います。
決算は会計監査人による監査手続きを経て発表されるもので、決算発表が円滑でない場合会社が正常に機能していない可能性があるからです。
すぐに収束すれば問題ないと思いますが、東芝のように、問題が問題を呼ぶ可能性もあります。
富士ゼロックスNZの場合、リース契約の内容に不備があり、計上債権分の入金が見込めない(売上の過剰計上)状況から決算発表を延期しています。
決算発表の延期に関するお知らせ (PDF資料)
通常であれば、法務部局による契約書のリーガルチェック、経理部門の回収管理の中で判明しそうですが。
海外子会社ということで、統制が行き届いていなかったのでしょう。
東芝監査法人交代 太陽のチャンスと責務
経理に求められる意識 独立性
日々の業務に忙殺されていると忘れてしまいがちですが。
経理の業務を遂行する上で意識すべき本質は、独立性と思います。
他部門との連携は言うまでもなく重要ですが、馴れ合い、無用な融通は不要です。
転職にあたり、スキルや資格は詳細に語られても、意識レベルに焦点があたることは少ないと思います。
東芝の会計不祥事や混乱に代表されるように、経理が単なる資料作成屋になってしまうことは避けなければなりません。
ちなみに公認会計士には独立性の指針があります。
企業の経理と監査人たる公認会計士は異なりますが、企業の経理にも会社を無用な不正、不祥事から守ることが本質的に求められていると思います。
同時に、会社として経理の独立性を確保するよう、環境を整備することも求められていると思います。